今回の対談は、ポムベファルマを立ち上げることになった2人の起業当初の苦労話や、意気投合したきっかけなどをお伝えします。
私たちを結びつけたのは「起業」と「WEB」
それぞれのビジネススタート。
鈴木:2012年にsuzukuriを起業するにあたって、色々準備をしていた頃、「たまご塾」という横浜市主催の女性起業塾に通っていました。そこでは、起業するための知識や準備のしかたなどを教えてもらったわけですが、その中の項目にもちろんWEBサイト制作も入っていました。今の世の中、起業とWEBは切っても切り離せないほど重要性を持っています。
そうま:私も実は、その塾にお邪魔したことがあって、とはいっても私は4ReaL Designという屋号で起業に近いものはもっと前にしていたので、新しく誕生するであろう女性起業家さんと、起業するために必要な業務サポートを担う、横浜市で活動している専門家などを引き合わせるような目的の集まりに参加したんです。主催者の方に声をかけていただいたんですよね。女性起業家という人達に興味もあって、伺ったことを覚えています。起業の時に使う、ロゴやツールなども自分で作ったの?
鈴木:後でその話を聞いて、驚き(笑)。縁てあるよね。今は昔の話になるけれど、suzukuriの屋号はかなり時間をかけて考えたかな。それと、ロゴと名刺はその時に友達にお願いして作ってもらって、facebookページやブログカスタマイズなど一生懸命作って。今はどうやったかすら覚えていないけれど・・・。
更にWEBに至っては、起業仲間と合宿したり、毎日仕事が終わった後にパソコンに向かって検索と格闘の繰り返し。朝を迎えることも多かったと思います。今はそこまでできないけれど。笑。当時はそこからお客様に来てもらうしかなかったから、仕事の入り口としてサイトとブログは本当に重要でした。今ももちろんそれは変わらないです。
そうま:私もそう。インターネットがなかったら、仕事をいただくことや出会いを見つけることはもっと大変。なので、今のようなスタイルで仕事ができるのには、WEBサイトがなくてはならないです。サイトもあるだけでは意味が無い。作っただけでは、大きな宇宙に小さな小さな星ができたようなもの。じゃあ、どうやってそのWEBを活用するかっていうのはもう少し深い仕事の話になるので、今度また話そうと思います。
自力でWebサイトを立ち上げる難しさ。
鈴木:サイトを作るのに「BiND」というソフトがいいよ、と同じ女性起業仲間に教えてもらって、BiNDで作り始めました。ホームページはなんとか自分なりに体裁を整えて、2年くらいは本当にがむしゃらに、毎日仕事とブログとサイト更新をしてたなあ。その頃は、WEBについても起業塾で教えてもらったことと、起業仲間と情報交換したりしていたくらいで、そこが知識を得る場だったのですが、だんだんちょっと疑問に思ってきたのが、デザイン部分。
そうま:慣れてきたら、本業としての見栄えが気になってきた?
鈴木:そうそう。BiNDは簡単に更新もできるしいいのだけれど、こうしたい!と思った細かいデザイン部分でちょっとした壁にぶつかり、なかなか思うようにいかなくなってきて。ここをこうしたいのに、できない!ううっって。日々泣きながら更新するような感じ。笑。
そうま:サイト運営をして慣れてきて、見た目を重視する欲がでてきのね。でも、そこはインテリアデザインを生業としているsuzukuriさんならば当然気になるところだと思います。ほんの少しの余白とか、バランスとかレイアウト、とかね。大事大事。
鈴木:そう!ほんとにそう!!そして、そこから私の得意なリサーチが始まる。確か、検索したのは「BiND デザイン 制作 横浜」とかだったかと思います。シンプルでセンスあるサイトだったし、多くを語らずに謎めいている(?)雰囲気に惹かれました。
そうま:リサーチ、私も得意。なんでも検索。ありがとう、世の中の知識をアップしてくれている方々!なんでも調べられる。
鈴木:そこが全ての始まりですね。
自分で全て作っていたものを人に任せることへの決断
そうま:そうですね。かなり熱いメールをいただいて。BiNDを編集している隣で並走してサポートして欲しい!っていう感じの。その頃ちょうど、BIND5の時代で、デザインメディアのMdNさんに取材してもらった記事が出ていたタイミングでした。(ここの辺りまで読んでいい加減、BiNDって何?と思っている方も多くいらっしゃるかと思うのですが、それは後記します)私にとっては、BiNDを制作ツールとして取り入れて、それなりにいい感じになってきた時代の話。
鈴木:すぐ来てくれたよね。笑。
そうま:そう。あまりの熱意と、かなりいい人とお見受けしたので。普段すぐにはお宅に伺うことはないのですが、特別な気持ちで行きました。そうしたら、イラン料理をご馳走になったり、色々な意味で、なんてすごい人!と圧倒されたの。当時、WEBメディアで記事を書いていて、常にネタを探していて、インテリアのプロの生活を記事にしたかったけれど、iPhoneしか持っていなくて写真が撮れずにボツになった。あれは残念でした。
スモールビジネスでの気づき。
鈴木:来てもらって、やりたい事をお伝えして客観的に見てもらって。でもすぐ、もう、あなたに任せる!私は自分の仕事をする!って宣言した。笑。
そうま:そうでした。並走のつもりで行ったのに、仕事をいただいてしまった。笑。それと、インテリア好きな私には、プロの生活も興味があって。その前に人間的に興味深い人です。いまだに。
鈴木:やはり、自分の仕事でそのための費用を捻出して、ムダに苦手な事に「時間」と「労力」をかけるのはやめよう、と。WEBなどの窓口は大切だけれど、かかる時間がものすごいから、そこはプロに任せるのが建設的だし価値があると思いました。早くもアウトソーシング決定。
そうま:どうもありがとう。かなりの膨大な内容のサイトで、とても一生懸命運営していたことがわかるサイトだったし、逆に必要のない部分もあったり。WEBの世界はまだ歴史が浅いので、まことしやかに言われていることが正しいとは限りません。その業種や特性にあったやり方もある。その時はそれの体裁やデザインを整えるってことで依頼をもらったのですが、その後、方向性を検討して転換したりなど、色々な転機とリニューアルを重ねている、suzukuriのサイト。これからも変化していくと思います。
鈴木:縁というか、出逢いというか、私は本気になると探し出すことにかなり自信を持っているので、間違いないと感じました。そこから何年かサイトのコンサルディングなどをお願いしていくうちに、なんとなく、WEBや紙のデザインとインテリアって共通する部分が多いと感じ始めました。
「インテリア」「海外好き」という共通点。
そうま:私も、サラグレースさんで働かせてもらうことがあったほどインテリアは好きで、海外の雰囲気が好き。suzukuriさんの仕事を見ていて、何か一緒にできるといいなと漠然と思っていました。海外とかね、なんとなく共通点。始めの頃は、個人邸のインテリアデザインや施工を扱っている感じだったので、サイト運営や提案の他、撮影の依頼などをいただくくらいの関係に。(個人的には商業施設とかやって欲しいなと思っていたのですが、当時はいやいや~と言われました。なんて奥ゆかしい。)そこから段々とサロンや教室などの内装デザインや壁面デザインなどに広がっていった段階で、ロゴやWEBの話になっていったんですよね。
鈴木:同じ世界感で一緒に仕事ができるね。という流れに。教室やサロンなどの案件で撮影以外にもWEBデザインやツールデザインなども一環してできるようになりました。
好きな世界観の発信と自分たちの表現の場所。
そうま:そして、何かしらの情報サイトを始めたかった私は、かなり前から何か発信しようと誘ってはいたのですが、言葉を濁されていたのが、段々その方向性になっていった。
鈴木:最初は発信について、あまりピンとこなかったんです。suzukuriのブログでいっぱいで。ちょうどそのころ、WEB上での取材をお受けする機会もあり、コンテンツがあるんだな~~と。そして、一緒に仕事をしたり話したりしているうちに、せっかく今までやってきたことや、好きな世界感があるのに、それを内に秘めているのはもったいないかもしれないと思い始めました。サイトやマガジンは読む側の体制だったので、発信する側の自分が想像つかなかったけど、結構企画できるなと思い出したら、早かった。笑。
そして、そして、国際結婚をするという人生の大事件!!
未知の国「イラン」を訪れ、少しの海外生活を体験してみたら、これまでの海外旅行での体験とは全く違う「暮らし」の面白さ、イメージとのギャップ、知らない世界を知って。これまでも海外旅行は好きで行っていましたが、まったく違う感覚で、衝撃的でした。さまざまな国で暮らす日本人の様子もレポートできるな~~~と。
そうま:素晴らしきネットワークと想像力。やると決めたら早いね。私は、仕事とは違う場所で自分の世界感を作りたいと思っていて。でも、発信することは自分の力では限界があるので、ぜひとも一緒にやってみたかったのです。私の悩みとぺこさんの悩みは似ていると思ったから。
鈴木:決めたら早い。それは間違いないです。そういうわけで、インテリアのことやデザインのこと、そして世界に目を向け、日本で暮らしているだけではあまり得ることができないような、現地ならではの「暮らし」という身近な情報を発信できたらと思っています。夫を始め、世界に向いている人が周りに多いので。毎日の暮らしの質が少しでも上がるような、日常が美しくなるような情報を伝えられるといいなと思っています。
多分、またつづきます。→