今年はスウェーデンとの国交樹立150年を記念したイベントがたくさん開催されているせいか、北欧関連の情報がいろいろ入ってきます。
この有田焼のティーポット(私は「急須」と言いたい。。)を初めて見たとき、なんて機能的で美しいのだろう。。。とホレボレ見ておりました。とても注ぎやすそうですし、カップと併用すると蓋になったり、器になったり、茶托のようになったりと多様性があり、とても考えぬかれたデザイン。
皇居の目の前の東京国立近代美術館工芸館にて、このデザインをされたインゲヤード・ローマンさんの展覧会が開催されていると聞き、早速行ってみました。
展示品にぴったりな古いレンガ造りの素敵な建築。
手荷物はコインロッカーに預け、中は撮影禁止ですが、一部スペースだけOKな場所がありましたので携帯やカメラは持参可能です。
有田焼の急須の実物も見られました。ううう、どんなにスムースなのか触りたい。。。けど、触ることはできません。
シンプルライフ
展覧会の中間地点で彼女のスウェーデンでの暮らしを追ったドキュメンタリー映像があります。60分そのままを流していて躊躇しましたが、次の予定まで時間があったので、たっぷりフルに拝見しました。
その暮らしぶりの素敵なこと・・・。
ご主人との食事のシーンもあるのですが、器も料理もキッチンもダイニングもすべて機能的でシンプル。
デスク周りやアトリエはそれなりにモノもあり雑多に見えるはずなのに、しっかりセレクトされたモノたちと、色彩が統一されているせいかとても整って見えます。
そして、自宅とアトリエを行き来する様子があるのですが、雪深いときも、春先も、自然と共存している住まい方が美しい。
共存するデザイン
テーブルごとにあるインタビューモニターの中でも繰り返しおっしゃっていらしたのは「他のモノと共存するデザイン」
暮らしの中にす~~~~っと入り、突出することなく他のモノとすんなりと馴染む、そんなデザインをずっとしていると言われていました。そして毎日使う機能=生活感がそこにしっかりとあるのです。北欧のモノには他との共存、生活との共存、自然との共存、が常に感じられます。
木村硝子の精密さ
多くのガラス製品、カラフェは特に 多くのデザインをされているようですが、この木村硝子のカラフェは薄く儚く、肉眼でみてもその物質同士の境界線がわからないほど繊細です。
すべてのデザインは鉛筆の手書きでされている様子でしたが、こちらもなのでしょうか。。。
木村硝子の薄はりグラスでキンキンに冷えたビールを飲むのと本当に美味しい!!酔っぱらって洗ってはいけません。。。
目を輝かせて語る様子
日本で有田焼のプロジェクトに関わったときの話をしている中で、釉薬にまつわるエピソードがあり、嬉しそうにキラキラと目を輝かせて、その話をされている様子に私はときめきました。
こんな素敵な顔のオトナ(あ、十分オトナですが。)になりたい、いくつになっても目をキラキラと輝かせて仕事をしていたい、と心に刻みました。
凛として惰性や諦めのない顔、それは何気ない年月の日々の積み重ねで形成されるものだと思います。
シミやシワなんて気にしない!笑。
年齢を重ねた美しさに必要で大切なことは、もっと違うところにあると感じることができる時間でした。
まだまだ冬まで会期中。私が感じたことと共感していただける点がありましたら嬉しいです。
インゲヤード・ローマン展
会期:2018年9月14日~12月9日
会場:東京国立近代美術館工芸館
住所:東京都千代田区北の丸公園1-1
電話:03-5777-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00~17:00
休館日:月(9月17日、24日、10月8日は開館)、9月18日、25日、10月9日
観覧料:一般 600円 / 大学生 400円 / 高校生以下および18歳未満無料 ※11月3日は無料観覧日
アクセス:東西線竹橋駅1b出口徒歩8分
URL:http://www.momat.go.jp/cg
コメントを残す